OUTBACKで生まれたちょっといいお話集

去年私がアウトバックで出会った素敵な女の子のお話をしたいと思います。

梅田

OUTBACKER | SORAさん
2025 Vol.10 Episode25

去年私がアウトバックで出会った素敵な女の子のお話をしたいと思います。ある日のお昼過ぎに、外国人の4人家族がご来店されました。その頃はまだ働いて2ヶ月程で、少し緊張しながらもいつも通り、6歳ぐらいの娘さんに塗り絵を渡し、ご家族に軽く自己紹介したのですが、ご両親は日本語が分からない様子で、その女の子が日本語で対応してくれました。その後のオーダーも、全て女の子が翻訳してくれて、”とてもしっかりしてて偉いなぁ~”と想い、私はその女の子に釘付けでした。そのご家族には4人の他に、赤ちゃんもいて、お父さまもお母さまも、赤ちゃんのお世話で大変そうでした。私は女の子が一人で黙々とお絵描きをしているのが気になったので、テーブルをケアしつつ、お話をしたり、紙のコースターに絵を描いて渡したりしました。女の子は、塗り絵にSORAと私の名前も書いてくれたりして、その女の子とご両親と素敵な時間を過ごしました。帰る際には、女の子は2つの風船と塗り絵の紙を嬉しそうに持って帰って行きました。
 2週間ほど経った日に、そのご家族がまたアウトバックに来てくださりました。残念ながら、ピークタイムでテーブル担当も別のアウトバッカーだったため、前のように話せない状況だったのですが、ピークタイムが落ち着きだした頃に、ご家族のいるテーブルに行き、前のように話そうとすると、先日の楽しそうな表情とは一変、女の子が暗い表情を浮かべていました。そして「引っ越しするからここに来れなくなるの。」と一言伝えられました。それに加えてお母さまから、たどたどしい日本語で、鳥取に引っ越すこと、今日が大阪で過ごす最後の日だったことを私に話してくれました。私は急なカミングアウトに驚きを隠せませんでした。続けてお母さまは、「この子が、最後の日は絶対にアウトバックに行きたい!って言ってたから来たの。」と言われました。会えなくなる悲しみと、最後の日にアウトバックを選んでくれた嬉しさで、私の頭の中は混乱していました。黙々とお絵描きをし続けていた女の子が私を見て、「1年後にまたここ来るからね。」と言いました。私はこの子と出会ってまだ2回目でしたが、「絶対来てね。待ってるよ!」と固い約束を交わしました。ご家族が帰られる際、テーブル担当のアウトバッカーと一緒にお見送りさせてもらい、ご家族が見えなくなるまで手を振っていました。女の子は最後まで悲しさを浮かべていましたが、どこかウキウキしたような表情でもありました。そして私も同じような表情だったと思います。
 アウトバックの信念は“日本一たくさんの感動物語が生まれる会社になる”です。それぞれが良かったと“感じる”ものではなく、お客様と私たち従業員が“作り上げる”ものだと思っています。この出来事があってから、私はより一層お客様との繋がりを意識して働いています。そして1年経った今、またあの子に会える日を楽しみに、これからも精一杯努力していきたいと思います。