アウトバッカーとして働く醍醐味の一つは、自分の仕事に対してお客様が喜んでくれるというところだと思います。
私がバーテンダーをしていた時に接客した、とあるカップルがいます。2年前のなんでもない日に、初来店でハッピーアワーを楽しんでいただいたお客様です。そのカップルはその日が初来店で、なんとなく会話をしているうちに、何かしらの記念日なのかな?と思い、サプライズでサービスのデザートを提供しました。結果としては特にそんなこともなく、ただデザートを提供しただけでしたが、接客やホスピタリティを気に入ってもらえて、満足してご帰宅いただけました。
その後半年くらい経って、またバーテンダーとして働いていた時に、そのカップルがたまたま来店されました。なんとその時には、ご結婚されて夫婦になっていました。「この前結婚しました!」と恥じらいながらも報告してくださった2人を、今度は堂々とお祝いさせていただきました。そして、そこから何度も来店してくださり、この1ヶ月前に来店された時は、奥様がコカコーラゼロを注文されました。”普段はご夫婦で仲良く、お酒で乾杯をされるのに?”と思ったら、予想通りの出来事があったようで、わざわざ私に報告しに来てくれたのだと、お話をしてくださいました。まだ不安定な時期だったので、その時はささやかにお祝いをする程度でしたが、その時に私の心は大きく満たされた気持ちになりました。何か大きくご夫婦の心を動かすようなことができたわけではありませんが、この仕事をしていて、他人の人生の一部に自分が入り込めたような気がして、この仕事をやっていて良かったな、と強く思いました。
アウトバッカーとして働く醍醐味の一つは、自分の仕事に対してお客様が喜んでくれるというところだと思います。“他人の喜びを自分の喜びに”、かつて研修を受けていた時の先生の言葉が、常に胸の中にあります。これまで4年働いてきて、店長や社員、キッチンスタッフ、先輩、後輩から、色々な言葉を頂いてきましたが、この言葉ほど、自分の身体に落とし込めてるものはないと思います。アウトバックで働くなかで、接客中に自分で物事を判断する場面が多くありますが、たくさんの選択肢を持つ中でも、大きな判断基準になるものは、全てのお客様が喜ぶことをすることにあると、先ほどの言葉からも自分では思います。脇役でも、なんとなくその人の人生の一端に映り込めるような接客ができることが、自分にとってここで働く意味なのかな、と感じています。