アウトバックを卒業された、私が大好きであり尊敬する、男性の先輩について書こうと思います。
私は、中学と高校でバトントワリング部に所属し、6年間厳しい上下関係の中で部活をしてきました。ですので、アウトバックでも自ら作り上げる先輩後輩の関係性は、働く上でとても大切だといつも身に染みて感じています。この物語は、アウトバックを卒業された、私が大好きであり尊敬する、男性の先輩について書こうと思います。
私がアウトバックに入りたての時に、その先輩に2回ほど私のトレーニングをしていただきました。先輩は初対面の時からとてもフランクに話してくださり、お客様に対しても、女性のトレーナーの先輩とは違った話し方、接し方、お客様への距離の詰め方をマスターしておられました。そしてある日、私のトレーニング中に接客をした男性のお客様から2人分のチップを頂きました。その先輩は、お客様をお見送りする際に、「HINATAが頑張ったからやな。」と言ってくださいました。私はただ先輩の後ろに付いていただけなのに、その言葉をさらっと言われ、私もこの先輩の良いところを真似していこうと思うようになりました。
ある時、その先輩のポジションがフリーでした。先輩は、一切足を止めることなく、至る所のテーブルを手伝いながら、その隙に空いたテーブルを驚く早さで片付けて、受付担当が忙しそうであれば受付のヘルプも行う姿を見て、私はただ圧倒されました。そして私はマネージャーのYOSHIさんに、その先輩がどうしてあんなに早く気を回しながら動けるのか聞くと、「常に次の次まで考えているからだよ。だから動作に迷いがないんだ。そして、何より大切なのはお店を良くしようという心持ち。彼のパフォーマンスは、お店全体の活気を生み出しているんだ。」と言われました。その先輩を観察していても、確かに挨拶の声、周りのメンバーへの声掛け、洞察力が半端ではないのです。私はまだまだ周りをよく見て臨機応変に動くスキルはありませんが、声を出すことはできると思いました。だから、「いらっしゃいませこんばんは!」、「ありがとうございます!」の声は、一番大きく出そうと意識するようにしました。それで少しでも、お店に活気が生まれれば良いなと思いました。私が受付やバーテンダーに挑戦した時も、その先輩に何度かトレーニングをしていただき、いつもアドバイスをくださいました。トレーナー業務を任せていただくことになった時には、「HINATAらしく頑張って!分からないことはいつでも聞いて!」と心強い言葉を掛けていただき、次は私もその先輩が私にしてくださったような、私らしい有意義なトレーニングをできるように頑張ろう、という意気込みで今もトレーニングに励んでいます。
そのような時期に、私が久しぶりにバーをやらせていただいたある日のことです。その日はとても忙しい日でした。キャパが少ない私は、どんどん入るオーダーチケットに、どんどん溜まっていく洗い物で、大パニックになり、正直今すぐ帰りたいという気持ちになってしまいました。今にも出てきそうな涙を我慢して乗り越えましたが、営業後はそのやるせなさと疲れと反省で、色々な気持ちが飛び交っていました。その時に私は、卒業していたその先輩に連絡をしました。すると、「悔しいって思える気持ちで成長する。」、「慣れないうちは大変やけど出来るようになってきたら楽しくなるのがアウトバックやから、めげずに頑張るんやで。」と励ましの言葉をかけてくださり、次にその先輩が来られる時には絶対に成長した姿を見せたい、とまたやる気スイッチが入りました。
そんな先輩の背中を見て、私も卒業をしても頼りたいと思ってもらえる先輩になりたい、とまた目標が増えました。その先輩から頂いたバッジを今日もユニフォームに付けて、目標に向かって頑張ります。私の目標とするその先輩はRYOSUKEさんです。