新型コロナウイルスにより、世の中の変わり始めた時に出会ったお客様とのお話です。
これは、新型コロナウイルスにより、世の中の変わり始めた時に出会ったお客様とのお話です。三連休の中日でとても忙しかった日のことです。私はサーバーをしていました。気温も程よく、秋にしては過ごしやすい気候だったため、年配のご夫婦が、テラス席を希望して入ってきました。
「プライムリブが食べたいのだけど、まだ残っているかしら?」「そしてあったらエンドカット(端のカット)の部分が欲しいの。」とご要望をいただきました。すぐに確認をして、ご要望のカットがあることを伝えると、そのカットをご注文いただきました。ドリンクを伺うと、「炭酸が飲みたいわねえ。」といいながらピンクレモネードをご注文されました。「こちら炭酸は入っていないのです。」と伝えると、旦那様がジンジャーエールをご注文されました。小さな声で「混ぜればいいわね。」とおっしゃったのが聞こえたので、ハーフアンドハーフで作ってくることを提案した後に、「トニックで割っても美味しいです。」とお勧めしてみました。すると、先にレモネードとジンジャーエールのハーフアンドハーフでお出しした後に、「あなたが言ってたオススメでお替りをちょうだい。」と言ってくださいました。すぐに持っていくと、「あなたのリコメンドはすごく良いわ!美味しい!」と予想以上に喜んでくださいました。
そのままお話をお伺いしていると「今日はね、命懸けでプライムリブを食べに来たのよ。」と突然奥様が言い出しました。「私たちみたいな老人には、渋谷となるとどうも気が引けてしまって、コロナの感染者も増えているし危ないでしょう。それでも食べたくて命をかけてきたのよ(笑)。」と不安はありながらも、嬉しそうにお話ししてくださいました。外食に命をかけるというと、少し前では考えられないことですし、大袈裟に聞こえるかもしれませんが、私はその方たちの気持ちになって考えると、本当にその通りだなと思いました。
帰る時になって、「このお店はチップ制なの?」と聞かれたので「違いますよ。」と答えると「それくらいサービスが素晴らしくて、アウトバックさんは初めて来たけど、とても雰囲気も、あなたも素敵で、楽しい時間になったわ。また来るわね。」と笑顔でお帰りになりました。その時、私は7~8テーブルを持っていたので、完璧なサービスが出来たわけではありませんでした。むしろもう少しお話しできたかもと、思っていた私にとっては、とても有難いお言葉でした。渋谷というだけで、新型コロナウイルスの影響を受けやすい場所というイメージが強くありますが、それでも足を運んでくださるお客様がいるということを実際に体験し、私たちの仕事は、少しでも“渋谷=悪い・汚い”という一括りのイメージを、“ここなら安心できる”というイメージに変えられることなのではないかと、改めて考えさせられました。“コロナのおかげで”、他のお客様からも「渋谷なのにちゃんとしてるね。」と言ってくださる機会が増えました。これを機に、“効率・回転重視”の店から“サービス・人との繋がり”を重視するお店へと生まれ変わるチャンスと考え、「より一層頑張ろう。」と思えるきっかけを作ってくださったお客様でした。