アウトバッカーとして働き始めて、気づけば3年目を迎えました。
アウトバッカーとして働き始めて、気づけば3年目を迎えました。今回は、バーテンダーになったばかりの頃のことを、少し振り返ってみたいと思います。
当時はちょうど、大学や高校の卒業シーズン。アウトバックでも、4月から社会人になる仲間たちが、次々と卒業していきました。私が特に尊敬していた先輩アウトバッカーも、その一人でした。彼に憧れて、自分もバーテンダーになりたいと、強く思うようになり、思い切って、店長にカクテルのレシピをもらいに行きました。
「いつか自分も、あのカウンターの中でキラキラ輝く先輩たちのように働きたい。」そんな想いを胸に、バーテンダーへの挑戦が始まりました。バーテンダーテストを無事に合格し、いざカウンターの中へと足を踏み入れたとき、それまで何度も側で見ていたはずなのに、カウンターの内側から感じる、張り詰めた空気や緊張感は、フロアとはまったく違うものでした。今でも、あの瞬間の背筋がピンと伸びるような感覚は、はっきりと覚えています。あの独特の空気のせいか、ジガーを持つ手は指先まで震え、グラスにリキュールをうまく注ぐことさえできませんでした。レシピをど忘れしてしまうこともあり、何度も悔しい思いをしました。
そんな私に、周りのアウトバッカーたちは、いつも優しく声をかけてくれました。「大丈夫だよ。」、「最初はみんなそうだよ。」と、励ましの言葉をもらい、その場では明るく「はい!」と返事をしていました。でも心の中では、「やばい、やばい…こんなの絶対、自分には向いてなかったんだよ。」と、自分を責める気持ちでいっぱいだったと思います。
そんなある日、先輩アウトバッカーからこんな言葉をもらいました。「自信を持つには、まずレシピを忘れないための復習と、圧倒的な商品知識が必要なんだよ。」その言葉が胸に刺さり、私はすぐに行動を始めました。次のシフトまでに、レシピを完璧に覚えることを目標に、何度も復習を繰り返しました。さらに、どの順番で作れば、ドリンクをより早く提供できるのか先輩に聞いたり、シフトに入るたびに、今日できなかったことをリストアップして、一つずつ克服していくようにしました。ドリンクのクオリティが高いと言われるようになるにつれて、カウンターのお客様を対応する”フロント”と呼ばれる業務をさせてもらう日が、増えるようになりました。
そんなある日、初めて常連のお客様から、「あなたの作ったモヒートがとっても美味しかったよ。」と、ありがたい言葉をいただきました。その瞬間の喜びは、今でもはっきり覚えています。本当にうれしくて、胸がいっぱいになりました。お客様にとっては何気ない言葉でも、私にとっては自信につながる一言でした。
今では、新しいアウトバッカーやバーテンダーたちが増え、教える立場にいます。あの頃、先輩が私にしてくれたのと同じように、緊張している後輩たちに、優しく声をかけるように心がけています。アウトバックで過ごしたこの3年間は、私にとって、ただのアルバイトではないと思います。悔しさや葛藤、励ましや感動のひとつひとつが、今の私を作ってくれたと思います。
これからも、「美味しい一杯をただ作るだけでなく、お客様の心にそっと寄り添えるようなドリンクと空間を、届けられるバーテンダーになりない。」とそんな想いを胸に、今日もまた、カウンターに入りたいと思います。
